2018年01月24日

サンゴ植付日記 〜その3 モニタリング2回目〜

2018/1/24 
気温20.6℃、水温18℃、13:33 晴れ
1/19〜23までの日照時間5.7h

5日間で5.7時間って少な!
日照時間が少なくまた寒くなって参りました・・・。
寒いのは勘弁だけど、嫌だけど、
最近寒いとサンゴが気になってしょうがない私。

結果から言ってしまうと、問題なしでした!
完全白化はなし。
20180124_1.JPG

ちょっとした変化が見られました。
まずはSt1.

前回今後が危ぶまられたSt1-4君。回復の兆候です。
前回の写真
20180124_4.JPG
今回の写真
20180124_3.JPG
先端は欠け、全体的に少し白っぽくなっていたのですが、
見事色を取り戻し、先端の修復作業に入っている様子。
そして少し丸みを帯び、肉厚になった感が。

日照時間が少なすぎてだいぶ心配していましたが、
こんな状況でも回復するんですね。
よく頑張った!

でも影響がある個体も。
St1-1君。
20180124_5.JPG
ちょっと色味が薄くなってます。
そして先端がさらにかじられて・・・
左程やせた感はないので大丈夫でしょう。

さてSt2
前回と変わりない感じです。
20180124_1.JPG

白化がちょっと出ていたサンゴも進行はしてない感じ。
St1−4のように回復してくれるといいな。

なんて思ってみていたらレイシガイダマシ??
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やばいと思って取ってみたら
20180124_9.JPG
ヤドカリでした。
ヤドカリさん失礼しました。
(この後スタッフが元の場所に戻しておきました)

他のサンゴは元気でしたが、
St1、St2ともに全体的に勢いは弱まった感がありました。
やはり日照時間かな。

周りのサンゴはきれいなもんです。
20180124_6.JPG

でも白化しているのもちらほらり。
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藻がついているので、いつからかはわかりませんが、
寒さのせいですかね?

これから藻の季節です。
20180124_10.JPG
もうすでに少し出始めてます。

成長に影響でなければいいけど
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2018年01月18日

サンゴ植付日記 〜その2 モニタリング〜

気温22℃、水温22℃、13:15 晴れ
1/13〜17までの日照時間25.1h

今日は待ちに待ったモニタリング
1/12に植え付けたので、6日になる。

レイシガイダマシやオニヒトデなどは前回植付時にいないことを確認していたけど、
やっぱり気になってしょうがなし。
めっちゃたかられてたり、真っ白になっていたらどうしよう。
更に水温15℃台という厳しい環境で植え付けたので、それも心配だった。
(翌日は14℃台にまで下がったとの情報もあり)

入ってポイントまで一目散。

周りのサンゴは元気いっぱいなので、ちょっと気を緩めた。
魚たちも元気そう。
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植付ポイントSt1に到着。
ぱっと見生きているのがわかる。よかった。
20180118_1.JPG
カゴは設置しなかった。ブダイやチョウチョウウオにかじられるのは自然なこと。
極論言えば、オニヒトデなどもそう。
自然にサンゴの幼生が着底し、育つイメージにした。
当のサンゴ株達はカゴの設置を要求しているかもしれないが・・・

生き物の生命力は強い、構造が原始的であればあるほど。持論である。
台風で折れたサンゴも折れた先から育っていったり、ままあること。
何より、今まで養殖の手伝いをしたときなんて、
ハンマーで叩き割ったり、ニッパーでちょん切ったり、
それでも育つサンゴを見てきている。

話を戻しましょう。
St2の方も、生きていた。
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先端をかじられている枝がある。(左上がわかりやすい)
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発見した瞬間周りを睨みつけてみたが、それらしき奴はいない。
そりゃそうだ。

運搬や植付時のダメージも回復している。
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(上:植付時、下:本日)
スカスカにだった先端が、こんもりと滑らかに。
生命力の強さを感じた。

ただ、残念なことに、白化しかけているのが3株。
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20180118_3.JPG
(上:植付時、下:本日)
だいぶやせ細っている・・・
枝も欠けて落ちていたので、物理的なトラブルがあったのかもしれない。

まだ植えて6日。
復活を願い、最後に周りを一睨みしてから、この場を去りました。


ええ、ウミウシ探しましたとも。
タスジミドリガイ
ハナミドリガイ
テンテンコノハミドリガイ
トウアカミドリガイ
ヨゾラミドリガイ
ホシゾラウミウシ
フジナミウミウシ
セトイロウミウシ
ツマグロモウミウシ

いつものメンバーでした。
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2018年01月12日

サンゴ植付日記 〜その1 失敗は成功のもと〜

今日は待ちに待った植え付けの日でしたが
朝起きてまずしたことは後悔。

寒い!めちゃ寒い!

ある程度覚悟はしていましたが、起きた感じでいつもと違う。
週間天気予報は見てましたけど、どうやらこの冬一番の寒さ。
何度も言いますが、予想はしてました!

悪魔が耳元で、「今日は諦めよう、明日があるよ」と囁くのですが、
天使の「明日だって一緒じゃん」の一言で、何とか海に向かいました。
(投げ槍感)

まずは港にて、注文していたサンゴ株を回収。
サンゴを養殖しているグローイングコーラルさんから株を購入しました。
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生きのいいのがどっさりです。(わかりづら)

余談ですが、養殖ものは琉球ガラスがついてたりします。
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天然物は採捕許可を持っている海人さんしかとれません。
グローイングコーラルさんは採捕許可が欲しくて海人になったという尊敬すべき人です。
僕も何度も一緒に仕事させて頂き、ロープワークや、いろんな道具を使う機転、
水中での走り方、何よりサンゴについて教わりました。勝手に師匠だと思っています。
そんな師匠に触発されての今だったりします。

さて、奥武島に到着すると先輩インストラクターがいて、
「今日はやばい」と入る前から脅してくれました。
そう、白いドライスーツのあの方です。
20180112_8.JPG
いい天気だったのに。

ここまで来たら考えずに動くべし。とまずは場所決めに。
タンクは背負わず目印のフロートだけ持ってシュノーケリングで。
いつもならフルフットだけど、ブーツ、ストラップフィンの用意しておいてよかった。

入った瞬間手が痛い!冷たいのではなく痛い!
こういう場合、わきの下に手を挟んだりするのですが、
片手にはフロートが・・・我慢するしかなかった。
グローブ持ってきてたのに・・・

あらかじめあたりをつけてた場所はやはりサンゴがいっぱい。
20180112_1.JPG
いつもなら魚たちが泳ぎ回っているのに今日はいないなと思ったら、
サンゴの間でじっとしてた。そんなに寒いのか。
20180112_2.JPG
魚影がない。

場所を決めたのでパッとあがってパッと準備して、
パッとポイントに戻ります。
スーツは6.5oのシーガルと6.5oのかぶりタイプだから水は入ってこず、
つい先日にーやんからもらった厚手のグローブで完璧です。

前日までいろいろシミュレーションしていたので、
すんなり終わらせてウミウシでも探しに行こうと思っていたのですが、
まあ、イメージ通りにはいかないものです。

1、釘が刺さらない。
2、グローブ越しでは細かな作業に時間がかかる
3、無駄な閃きがしばしば

結果こう。(St1)素材は鉄くぎ、アルミ針金です。(両方ともサンゴと親和性あり)
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今回は固着させるのにはあまり固執していません。
大きく育てるのが目的です。

植え付けた結果はこう。
20180112_5.JPG
はい。O型です。
いや、一応は考えてるんです。密着型、閑散型、単独型。
生物はストレスにより強くなる一面があるので、甘やかしません。
(寒さは想定外。すまん。)
サンゴ同士喧嘩してやばそうなら引き離す心の準備はできています。

もう一か所。(St2)素材はロープのみです。
20180112_6.JPG
ここでは実験的な配置ではなく、道具をあまり使用しない、
植え付けのしやすさ、手軽さを求め、その上で成長を見ていきます。

水中ではすべての動きが鈍ります。
細いロープを結んだり、穴に通したりなどグローブしてるので尚更時間がかかります。
ほつれた先端をなめてしまいそうになったり。

最後は全部のサイズを測って終了
20180112_9.JPG
手がかじかむし、グローブの厚みでノギスを動かせなくて苦労しました。

結果2時間半潜っていましたが、時間のロスと手際の悪さが目立ちました。
次はもうちょっと早く終わらせたいです。寒さは大丈夫でした。手はしょうがない。

水温?15.8℃でした。

ロープや針金は、固着したら切ってサンゴがついてないところは回収予定。
喧嘩の心配とかもあるので、週1くらいでモニタリングしていきたいと思います。

見に行ったら真っ白だった。って夢を見そう。
posted by NatureStyle at 22:41| Comment(0) | サンゴ植え付け

2018年01月05日

個人でサンゴ植付してみることにした

新年の決意表明です。

ネイチャースタイルは2018年サンゴの植え付けに注力していきます。
もちろんそのために予約をお断りすることはございませんので、ご安心ください。
20180105_1.JPG

突拍子のないことではなく、思い付きでもなく、兼ねてよりやりたかったこと。

沖縄に移住してきてこの8年、サンゴを増やそうと頑張っている人達を見てきました。
養殖を行う人。植え付けを行う人。既存のサンゴを守ろうとする人。
それぞれ熱意とポリシーをもってやっています。
僕もそれらの活動の手伝いや、あるいは従事してきたわけですが、
もっと本気でやってみたかった。
本当は養殖やりたかったのですが、漁業権や漁業組合に入っている必要があるので断念。

地道にデータとって最適を求めて、まずはやってみようと思います。
20180105_2.JPG

注)ここからは個人の意見が色濃いです。

なぜ植え付けをしようかと思ったかというと、正直、好奇心と探求心です。
もちろんサンゴいっぱいの海にしたいと思う気持ちも強いですが、
今まで植えてきたサンゴが、様々な理由で死んでいくのをみて、
何とかできないか?と思ったからです。

組織でやるとどうしてもスケジュールの調整や、コスト、
意識の差など非効率な部分が出てくるし、手法も確立されていないので、
一人でやることにしました。専門の組織ならいいのですけどね。
コストがかかるので、規模は小さく・・・。
20180105_4.JPG
こんな感じにしたいですね。

ではどうやってやるのか・・・が問題です。
自然界の原則は「自然淘汰と適者生存」。
基本サンゴがない場所には育たないと思っているのですが、
いろんな要因を考慮して植え付け場所を選定する必要があります。

まず、サンゴの死亡要因はなにかと考えると
・水温の上昇
・過剰な紫外線
・病気
・食害
・物理的破損
・日照不足
・水質
・サンゴ同士の縄張り争い
・飢え
などが上がります。

慶良間でダイビングしていてサンゴ綺麗だなと思えるポイントとしては、
20180105_9.JPG
・浅い水深(5m以浅)
・流れがある
・透明度が良い
・岩場
ひとえに、よく光が当たり、澱まない場所。
まあ、水面を漂うサンゴの幼生が着底しやすい場所でもあると思います。

サンゴがあり、光が確保でき、澱まず、何より植え付け、モニタリングがしやすい場所。
いろいろ考えた末、奥武島の浅場にしました。

なぜ奥武島?と思う方もいるかと思いますが、結構サンゴが多いのです。
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透明度の悪さで懸念される光量は浅さでカバー。
もしかしたら透明度の悪さのおかげで紫外線も減るのかも?
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水温の上昇が懸念されますが、ある程度流れのあるポイントですので。

今サンゴがある場所に増やしても意味がないとは思いますが、
今サンゴがある場所には必ず理由があるはず。

その辺も考えながらチャレンジしてみたいと思います。

・食害
・物理的破損
については対策が必要かな。

・水質
アンモニア、亜硝酸、硝酸調査でいいかな。
澱まない場所なら意味ないかもしれないけど。



posted by NatureStyle at 16:42| Comment(0) | サンゴ植え付け